宇宙空間で、太郎と花子の宇宙船が相対速度 v で出合ったとします。
太郎の慣性系で花子のロケットを記述すれば、見たまんまの風景の記述で終わります。
花子のロケットが、速さ v で遠ざかっているだけの話です。
たとえその速さ v が、光速の80%であったとしても、花子のロケットの長さが縮み、時間
の流れが遅くなるようなことはありません。
太郎の慣性系での時間と空間を支配しているのは、太郎の慣性系です。
太郎の慣性系においては、花子のロケットも、太郎の慣性系の出来事に従います。
太郎のロケットで12時であれば、花子のロケットでも12時です。
この風景は、パソコンの前に座る私と、私の手との関係に一致します。
太郎が私で、花子が私の手です。
太郎の慣性系において、特殊相対性理論の効果が現れるのは、太郎の慣性系から
花子の慣性系の出来事を記述したとき、そのときに現れます。
太郎の慣性系から花子の慣性系の出来事を記述したとき記述される風景は、太郎のロケットが
遠ざかっているという風景が、花子の慣性系から記述される風景であるために、太郎のロケットが
遠ざかっているという風景を太郎は記述しなければならないのです。